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植え替え(適期:9〜11月)

植え替えが必要な株とは?

植え替えは2〜3年に1回行います。以下のような株は早く植え替えてやりましょう。

1)頭数が増え、分球しなくなった株植替え必要株.jpg
 最初は数頭だった株も順調に生育すれば、4〜5年で50頭ほどになります。2.5号鉢ですと大きなタビ型品種で8頭くらい、中型品種では50頭くらいが上限で、それ以上増殖しないばかりか球体も小さくなって開花数も減少してしまいます。株分け(茎を縦に割くようにして分ける)や挿し木で頭数を調整します。写真の株は、タビ型園芸品種の'祝典'を2.5号鉢に植え付け、その後10年間植え替えしなかったものです。

2)茎が枯れ込み、元気がなくなった株
 何らかの原因(多くは、休眠中の過乾燥による)により茎や根が枯れて水が吸収できなくなった株は、放置しておくとやがて衰弱して枯れてしまいます。時折「茎が木質化したために吸水できなくなった」という表現を見受けますが、実際には茎の内部まで枯死して茶色く変色しているだけです。

植木鉢

 多湿を嫌うため、株の大きさにもよりますが小さめの鉢が良いでしょう。購入したばかりの株は数頭のことが多いと思いますので、2.5号くらいのものが適当と思われます。もっと小さな鉢を使うことも可能ですが、乾湿の差が激しくなりやすく、栽培に慣れないうちは避けた方が無難です。株が大きくなれば、3号鉢以上のものに植えることになります。大きな鉢は過湿になりやすいので、潅水の量や頻度に気をつけます。また、コノフィツムの根は細根が主体で、比較的浅い場所に張っています。そのためあまり深い鉢は必要ありません。リトープスの根が真っ直ぐ深く伸びるのとは対象的です。

 鉢の材質は、栽培環境や潅水の頻度、培養土との組み合せで考えましょう。乾きやすい環境ではプラ鉢や塗り鉢、過湿になりやすい条件であれば素焼き鉢というように考えます。私の場合は南向きの屋上という乾燥しやすい環境ですので、素焼鉢はすぐに乾燥してしまうため使いにくく、現在はプラ鉢をメインに使用しています。以前は朱温鉢を愛用していましたが、ここ10年以上、売られているのを見かけなくなりました。多数の種類をコレクションするのが目的であれば、同じ規格のものを長年にわたって入手しやすい鉢を選定することをお薦めします。栽培に慣れてくれば、プラ鉢やビニールポットでも問題なく栽培出来ますし、乾燥に強いものを乾きやすい鉢に、乾燥に弱い種類をプラ鉢に・・といった微調整も出来るようになります。

培養土

 排水が良く適度な湿度が長期間続く培養土が理想です。市販のサボテン培養土をそのまま使う事も可能ですが、軽石とピートモスを主体に配合されたものは保水性が低く使いにくい事があります。自作は少々面倒ですけれど、育てる環境に合わせて培養土の配合を試行錯誤していくと良い結果が得られるようになります。赤玉土をベースに桐生砂や腐葉土を配合したものを基本に改変すると良いでしょう。
 私は、赤玉土(小粒):桐生砂(小粒):腐葉土(1cmの篩を通したもの)=4:4:2 くらいで配合し、これと朱温鉢の組み合わせで、屋上(冬の日照時間=4時間程度)のワーディアンケース内に置き、生長期、週1回程度の灌水が丁度良い感じでした。現在多用しているプラ鉢は鉢底穴が多いためか意外にも乾燥しやすく、芝の目土(製菓用の裏ごしメッシュで微塵抜きしたもの):鹿沼土(挿し木用細粒):腐葉土(5mmの篩を通したもの):バーミキュライト=6:4:2:1といった、細かめの培養土との組み合せで使用しています。特に小型品種の根は細く短いため、乾湿の差が激しいと生育が悪くなりがちですから、細か目で保水性の良い培養土を使った方が良いでしょう。

肥料

 植え付けや植え替え時に緩効性の肥料(一例として、マグアンプK小粒)を元肥として培養土に少量混入すれば、1年間追肥の必要はありません。植え替え出来なかったものについては液体肥料(ハイポネクス等を1/1000〜1/2000に希釈したもの)を生長期に月1〜2回与えれば良いでしょう。

植え替え方法

 細根は、夏越し中の断水のためほとんど枯死していますから、指先で揉むようにして枯れた根を取り除きます。全ての根が簡単に千切れてしまう時は、太い根や茎まで枯れ込んでいる場合が多いものです。そのような場合には、ハサミやナイフで切り、その断面をチェックします。もし、中心部分が茶色くなっていたら、白いところが出てくるまで切り戻します。
 乾いて殻状になった前年度の葉は、手で軽く引っ張れば取れるものは取り除いておきます。repot.gif付いたままでも心配ありませんから、無理をしないようにします。あまり深追いすると、球体が茎からポロッと取れてしまいます。特に小型のタビ型(C. f..明窓玉系)とコマ型(C. wettsteinii;小槌系)は要注意です。もし取れてしまっても、挿し木をすれば大抵はちゃんと発根します。

 右図のように植えますが、球体が培養土に埋まらないように、ごく浅植えにします。このままではグラグラして倒れてしまうので、小砂利を株元に敷き詰めて球体を支えます。こうすることで、より株元が乾燥しやすくなり腐敗を防ぎます。また、灌水時に培養土が飛び散るのを防ぎます。綺麗な砂利を敷けば鑑賞価値も高まるでしょう。植え替え終了後は、直射日光を避け、1〜2週間ほど明るい日陰に置きます。灌水は、普通に行います。

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