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コノフィツムの育て方(関東地方平野部基準

花屋さん、ホームセンターなどで買い求めたコノフィツム
正しい育て方を教えてくれる人がいないので、枯らしてしまったり腐らせたりすることが多いようです。
上手に育てるには少々の知識とコツが必要となります。それは・・・

1.生長期(9月~6月)と休眠期(7月~8月)を知ること。
2.生長期である秋〜春には良く日に当て、週1回はたっぷり灌水をすること。
3.休眠期の夏は50%程度の遮光下に置き、少なくとも月2回程度は灌水すること。

この3点をおさえれば60点くらいの出来映えは期待できます。
生長期のコノフィツムは、見かけによらず水と肥料が大好きです。


生長サイクルと年間管理表
4   5  6  7  8  9  10  11 12
生長/休眠 生長鈍る 生  長 休眠開始 休  眠 休眠終り 生   長 
潅  水 1回/1〜2週 1回/週
1回/2週
1回/週
日  照 0〜20%遮光  20〜50%遮光 0〜20%遮光 
作  業
植替え・株分け・挿し木・種まき  

<<生長期・9月~6月>>

 休眠中に被っていた殻(古い葉が乾燥し薄皮状になったたもの)が裂けて新葉が顔を出すのが生長開始のサインです。生長開始と共に開花し始める種類がほとんどです。1つの花は、だいたい1週間ほど開閉を繰り返します。秋は年間で一番動きが活発な時期であり、またコノフィツム愛好家が一番楽しみにしている季節でもあります。

植え替えの適期です

  9月~11月が植え替えや株分けの適期です。寒くなると活着や発根が遅れ、その結果生長も悪くなりますから、早めに作業をしましょう。開花中の株でも植え替えて大丈夫です。

日光浴のすすめ

  生長開始とともに新葉(新球)が現れますが、1年に1個(一対)しか出ないので傷つけたりしないように扱いましょう。また、翌年休眠に入るまで外見上の変化はほとんどありませんが、球体の内部では次の葉が育っていますから、十分に日光浴させて新球の充実を促します。種類によっては冬の直射日光でも強すぎる場合があるので、20%程度の遮光をしても構いません。上手に管理出来れば1つの球体内に複数(多くの場合2~3個)の新球が育ち、毎年2~3倍に増殖します。休眠前の5~6月頃腐ってしまう原因のほとんどは、この生育期の日光不足と考えて間違いありません。

低温には強い

  多くの種や園芸品種では、マイナス2~3℃くらいの外気温で凍ってしまうことはありません。軒下等、霜が当たらない場所であれば、夜間も外に出しておいて構いません。もちろん簡易フレーム等の施設があれば、生育はさらに良くなります。但し、日中密閉してしまうと30℃を超える高温になるので、晴れた日中は窓等を開けて通風をはかります。

灌水は週一回

  サボテンの場合、休眠期である冬に灌水すると腐ってしまいますが、コノフィツムは低温期に生長しますから十分に灌水・施肥します。培養土や置き場所にもよりますが、極寒期を除いてだいたい週1回の灌水が必要です。球体にしわが寄ってしまうようでは水不足です。灌水するときは、普通の草花同様、鉢底の穴から水が出るまでタップリ与えます。液肥を与える場合は、ハイポネクスでしたら1000〜2000倍希釈のものを月2回くらいが適当でしょう。意外に水と肥料が好きな植物です。



<<休眠期・6月~9月>>

 6月ころから球体の色が薄茶色に変色してくると休眠期の始まりです。乾燥し薄皮状になった古い葉を被り、まるで枯れたようになってしまいます。ここで「枯れた」と思って捨ててしまう人が出てきても不思議はありません。本当に枯れてしまったものは、球体を押してみるとペチャっと潰れてしまいます。こうなってしまっていたら助ける術はありません。

明るい日陰に置く

  高温多湿を嫌う植物ですから、雨が吹き込まない通風の良い場所で夏越しさせます。寒冷紗等で遮光(遮光率50%程度)するのが手軽です。強健なタビ型園芸品種は弱光にも耐えるので、直射日光の当たらない明るい日陰で過ごさせても良いでしょう。有窓類などは夏でも光量を必要とするため過度の遮光は禁物で、遮光率が60%を超えないようにしましょう。

休眠期にも少量の潅水が必要

  コノフィツムは、乾燥に耐えられるように進化した植物ですが、あまりに乾燥させると細根はもとより、太い根や茎までもが枯死してしまいます。その結果、生長期に入ってもスムーズに生長を開始する事が出来ずに枯死してしまう場合があります。その危険を避けるため、月に2回程度、軽く潅水します。培養土が上部から数cm程度湿る程度が良いでしょう。但し、大型の種類(タビ型種=C. bilobum)は完全に断水しても平気です。一方、小型種(球体の直径が1cm以下の種類)では、1週間に1回くらい軽く灌水しないと完全に干涸らびて枯死してしまいます。
  休眠期の断水により花芽形成が促進されるという説もあり、また休眠期の灌水過多は腐死をまねく事にもなりますから、休眠期の灌水には気をつかいます。栽培環境や種類によって差がありますから、試行錯誤しながら潅水のコツをつかんでいくのも楽しいものです。

脱皮をはじめたら徐々に灌水量を増やす

  種類にもよりますが、8月中旬から9月にかけて脱皮が始まります。気温が低くなる9月下旬から徐々に灌水量を増やします。